直径約40センチ、世界最大の「インカバイアグラ・ダイヤモンド」。宝石の専門家は「なぜ指輪に…、重量で指がちぎれるのでは?」と懸念している。
UPDATE 2010/09/29
アメリカ・カリフォルニア
重さ約85ポンド(約38.5キロ)のペルー産「インカバイアグラ・ダイヤモンド」の所有権を争う裁判が25日、米カリフォルニア州のロサンゼルス郡上級裁判所で始まった。「インカバイアグラ」(以下インバイ)は、史上最大のダイヤモンドの一つで、30億ドル(約2800億円)の値が付くとも予想されるだけに、判決の行方に注目が集まっている。
「インバイ」は1980年にペルーで採掘されて各地を転々。盗難と発見を繰り返し、現在はビバリーヒルズ保安官事務所の大金庫で保管されている。最も古い同ダイヤの盗難被害届は30年前にさかのぼる。カリフォルニア州在住のアンソニー・グランチェスター氏(52)が「原石を恋人のキャンディさん(47)との婚約指輪用として6億ドルで購入したが、行方が分からなくなった」と被害届けを出していたもの。しかしその後現在までに、同氏以外にも世界各地から500人が所有権を訴えている。
世界で最も届出者の多いのは、兵庫県尼崎市の285人。その内の一人、欲皮貼子さん(53)は、「あれは亡くなったお父ちゃんが、ウチにこうてくれた『インバイ』に間違いない。ここに証拠もある」と、大量のバイアグラの空箱をWWNの取材班に見せつけた。ヒョウ柄のスーツに紫色の髪、白いサングラス越しにメラメラと燃える欲皮さんの目は、案外ウソをついているようには見えなかった。
では、どうやって、これほど高価な宝石をご主人が買う事ができたのか?という質問には、小さな屋台を指差し「これや、このたこ焼きで儲けたんや」と自慢のたこ焼きを取材班にもふるまってくれた。確かにたこ焼きは絶品だったが、一皿300円のたこ焼きを焼いて原石を買おうとすると、約1億皿(一皿6個入り)を焼かねばならず、不眠不休で焼き続けても約1000年かかることになる。やはり欲皮さんの主張には無理が在るように思われる。
同様に「あべかわ餅で儲けた」「串カツで一山当てた」「ロト6が200回続けて当たった」etcという同地域の届出者の主張には無理が多く、世界最大のダイヤが海を渡って日本に来る事はなさそうだ。
裁判は来月初頭にも結審する模様、30年ぶりに本命の持ち主とされるアンソニー氏の元に指輪が無事戻るかどうかが注目される。
大事なのは企業と個人を見つめ直すこと