UPDATE 2010/09/16
カリフォルニア州・メルニック
ペットとして飼う以外に、最近では食糧としてもすっかりおなじみになったミミズであるが、近年では、高タンパク、低コレステロールであると、ヘルシー食材として世界で注目されている。特に赤ミミズには、血栓をとる酵素が含まれていることが分析の結果分かっており脳梗塞の対策に一石を投じた。漢方薬では、乾燥させたミミズは「地竜」と呼ばれ、古来より解熱剤として珍重されてきた歴史もある。つまりミミズは太古からなじみのある食材だったわけなのだ。
さて、この夏からグルメファンに注目され始めた、カリフォルニアの田舎町メルニックに住むアムガーさん(76歳/キャンプ場を経営)は、大のミミズ好きとしで知られている。
カリフォルニア州の主催するミミズ大食いコンテストで5年連続優勝したのをきっかけに、世界的にも有名になった人物なのだが、この方、私生活でもミミズを食べ続け「この20年間で7トン以上のものミミズを平らげたよ」と大型トラックの荷台を指差し、これくらいは食べたぞといわんばかり得意げにCNNの独占インタビューに答えている。
実際、毎週水曜日と土曜日には欠かさずそれぞれ属性のミミズを食べるのだそうだ。おかげで彼の脳みそは元気一杯、先ごろの市民検診のCTスキャンの検査でも、梗塞も収縮も見られず40代の脳だと評価を受けたそうである。
近所でもグルメとして評判のアムガーさん。当然、彼が作るミミズの料理もバラエティーに富んでおり、スパゲティに少し混ぜたり、パンにはさんでミミズバーガーやミミズホットドッグを作ったり、シェイクや飲み物に入れたり、ミミズアイスを考案するなどさまざま。それらを釣りに来たレジャー客や訪問者、町の人たちにも快く振る舞うというおおらかさなので、人気者なのも当然の事とうなずける。
「いやー、しかし、1番うまいのはナンと言ってもやっぱり”踊り食い”さ?!生ミミズを一息でズルズルッとやってな、噛んだときにプチュッと飛び出すあのヌルっとした生暖かい中身の食感が最高なのさ。そいつが口いっぱいに広がって、ジュルっと一気に飲み込む。そりゃ?もう、ア?たまらん」とエクスタシーとも取れる満面の笑顔で食事の状況を解説するその姿には、聖人と出会った感動に近いものすら感じる。
(実は、アムガーさん趣味が高じてミミズ専門の料理ブックを執筆中との噂もある)
彼の食生活や行動については、メルニック市長など一部の関係者から批判の声も上がってはいるのだが、本人はまるっきり気にせずどこ吹く風。
ハーマンさんの将来の夢はと訊くと、「これからも、心おきなくどんどんミミズを食べ続け、いつか自分自身が大きなミミズになって大地を悠然とはい回りたい」のだそうだ。
是非、実現してもらいたい。
ちなみに、プロレス団体WWEに所属するブギーマンというスター・レスラーは、彼を真似てミミズを食べるというパフォーマンスで人気をつかんだのだそうだ。
浅尾 典彦
ある時は、新聞・雑誌に連載を持つメディアライター。またある時は、企画・イベントもこなすプロデューサー。はたまた、映画、テレビ・ラジオに出演するタレント。 おまけに日本SF作家クラブ会員で、専門学校講師でもある。しかしてその実態は、SF、ホラー、ファンタジー映画が中心、”サブカルチャー専門” の「Fantastic Messenger夢人塔(ムジントウ)」代表。著書も多数。てな感じで、活躍を続けてはや30年。結局、”謎の関西人”のままか~
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