UPDATE 2010/07/07
ウィークリー・ワールド・ニュースの近兼拓史CEOは7日、社内の公用語を12年中に完全にケチュア語(インカ帝国の公用語で、今も南米の多くのインディオの間で使われている)に切り替えると発表した。今後同社内の会議や公式記録は、全てケチュア語で行う事になる。WWNジャパン本社多目的ホール(インティ・ライミ)で開催された記者会見では、早速ケチュア語で行われたため、駆けつけた数少ない記者達も理解不能で次々と席をたつという事態が起きた。
国内外のグローバル企業が、公用語を世界共通語の英語に換えるなか、世界最大級の情報ネットワーク(注1)を豪語する同社が、あえて南米の一部でしか使用されないニッチな言語に換える必要性を「情報が簡単に漏洩するネット全盛の時代に、あえて社内の重要な会議や記録を、世界中誰もが読める英語をベースに換えるのは、情報を扱う会社として自殺行為。ハレンチな露出趣味としか思えない」と説明した。
一方、記録や電話受付を担当する社員からは「ワープロソフトに文字が無いので記録不可能」「付近の本屋に辞書や翻訳書を売っていない」「電話相手に気味悪がられる」と不満が噴出。ケチュア語で「嫌」を意味する「kallpa-wañuy」の抗議メールが大量に同CEO宛に寄せられている。
これに対し同CEOは、「言葉は所詮デジタル信号、そんなモノに頼るからコミュニケーションがおろそかになる。不自由な言葉をベースにすれば、人間はもっと相手と直接的に向き合うようになる」と説明するが、社内外の反発は強く、実現化は難しいかもしれない。
記者会見終了後、会場に一人残された同CEOは「ケチュア語がダメなら、せめて大阪弁(日本の関西地方の一部で使われている)に…」と、早くもトーンダウンしている様子だった。
注1)WWN社の情報ネットワークは地球上の国連加盟国192カ国に加え15の地域、18の星雲系に属する12589の知的生命体の統治する惑星にエージェントを持つ、地球最大級(西銀河で3位)のものであると公表されている。
Dr.TAXI 2010.7.7