次々と降り注ぐ小惑星の被害に、はたして地球と人類は耐えられるのか…?
UPDATE 2014/12/01
アメリカ・ヒューストン
NASAが衝撃の予測を発表した。ここ2か月の宇宙観測データを分析した結果、2017年から2113年の間に、約400個もの小惑星が次々に地球に降り注ぐ可能性があるというのだ。
小惑星の多くは直径100メートルほどだという。そして、早ければ2020年にも地球に甚大な破壊をもたらす大きさの小惑星が衝突するかもしれないというのだ。もし、この小惑星のうち、たった1個でも地球にぶつかれば、地球上の生命は全て消滅してしまうだろう。
物理学者のブライアン・コックス博士は「バスぐらいの大きさの『2014EC』と名づけた小惑星が今年の3月、地球から約6万キロメートルのところを通過しました。これはたまたま地球にぶつからなかっただけで、地球の生命を一掃してしまうような小惑星が衝突するのは時間の問題です」と語る。
かつて地球上で栄華を誇った恐竜たちは、小惑星が地球に激突したことで滅んだという説が有力だ。もっとも、最新の学説では、恐竜は滅んだのではなく、鳥類に進化して生き延びたとされているが…。
いずれにせよ、恐竜という巨大生命体は、小惑星の衝突が起こす津波でさらわれて溺死し、さらに舞い上がった塵が空を覆ったことで気候が寒冷化したことで、地球の王者の座を失ったことは間違い無さそうだ。
また、バッキンガム大学の天文学者、ビル・ネーピア博士は「小惑星にせよ、宇宙ゴミのような塊にせよ、地球のどこに落下しても、甚大な破壊をもたらすのは間違いない。飛び交っている小惑星の中には直径300キロメートルを超すモンスター級もある。もしそれがぶつかったら、地球は数万年間、太陽光が遮断されるほどの塵が大気を覆うだろう」と指摘する。
宇宙には多くの小惑星や隕石が飛び交っている。その一つが1908年、シベリアに落下したことがある。「ツングースカ大爆発」と名づけられた有名な事件だ。半径約50キロの森林が炎上し、約2150平方キロメートルにわたり樹木がなぎ倒された。たまたま近くに村落がなかったため、死者はゼロだったが、もし都市部でその爆発が起きていれば核兵器以上の大惨事が起こっていただろう。長らく爆発の原因は謎とされていたが、2013年にようやく直径数メートル以上で100メートル未満の隕石が、大気中で爆発したため起きた現象だと判明している。
また、2年前、スペインの天文台が地球の周囲を周回する直径45メートルの小惑星「2012DA14」を発見した。地球に衝突する可能性はないとされたが、科学者たちはいつ軌道が変わるかもしれず、地球にぶつかる可能性は捨てきれないとしている。
NASAのジェット推進研究所に所属する惑星天文学者のポール・チョーダス博士は「2012DA14の周回軌道は地球と近くなってきています」と語っている。
そんな危機が叫ばれている中、NASAにより、地球に衝突するかもしれない400個もの小惑星の存在が明らかにされた。
ネーピア博士は「危険なのは小惑星だけではありません。まだ、観測されていないよう数メートル以下の隕石が地球の近くに飛んで来るとすれば、地球の重力に引き寄せられ、衝突します。ごくわずかな大きさであっても、膨大な塵を巻き起こし、人類の文明や生態系を破壊するには十分です」と語る。
コックス博士も「地球には隕石や小惑星が衝突した痕跡、つまりクレーターが100個以上見つかっています。そのクレーターを作ったようなサイズのものが一つでも今の時代に落ちてきたら、文明に致命的なダメージを与えます」と警告する。
さらにNASAのエイムズ研究センターのデビッド・モリソン博士は「確認できる限り、地球と軌道が近接交錯する直径1キロメートル以上の大きさの小惑星は2000個もある」と言う。
NASAは「直径1キロ以下のものなら、落下場所によっては都市や国家を壊すかもしれませんが、人類が滅亡するということはありません。1キロ以上だと大気を覆う塵によって作物が作れなくなり、飢饉によって生命の多くが死に絶えます。5キロ以上だと、地球自体が破壊されるでしょう」と見積もっている。
2017年以降、地球に降り注ぐ可能性がある400個の小惑星。どうかすべて外れてもらいたいものだ。