ピンクポップ音楽祭中に出現したとされる悪魔の姿を思わせる恐怖の雲。その正体は本当に悪魔だったのか!
UPDATE 2014/07/15
オランダ・ラントフラーフ
世界中のヘビーメタルファンとオカルトマニアを恐怖に陥れている〝デーモン・クラウド〟という画像がある。まるで生きているとしか思えない、ドクロの黒雲が空を覆っている恐怖画像の正体を、WWNが暴くことに成功した。
世界的ヘビーメタルバンド「メタリカ」が6月上旬にオランダのラントフラーフで行われた音楽祭「ピンクポップ・フェスティバル」でトリを飾るため、登場する寸前にデーモン・クラウドが出現したとされる。会場にいた7万人の観客全員が目撃したというのだ。そのあまりの恐ろしい姿に、画像はネットで世界中に拡散した。
するとアメリカのインディアナ州のポール・べグレー牧師がこの画像をユーチューブで悪魔の復活の兆しだと説明。ピンクポップ音楽祭は、ペンテコステの週末3日間に行われる。ペンテコステとはキリスト教で重要な祝祭日で、聖霊降臨というイエスの復活・昇天後、集まって祈っていた120人の信徒たちの上に、神からの聖霊が降ったという出来事を記念するものだ。
逆にピンクポップ音楽祭としては、聖なるペンテコステに反対するため、悪魔を崇拝したり、神を否定することがモチーフとなるヘビーメタルバンドを集めている。つまり、このピンクポップ・フェスティバルはペンテコステに反対する悪魔崇拝イベントだ。そんな罰当たりなことをするから、聖霊ではなく。悪魔の姿が現れたのか。そして、嵐が吹き、雷がとどろいたのだろうか?
この画像を見たべグレー牧師は、よほど衝撃だったのだろう。ユーチューブで、「主催者はコンサートを中止しなければいけないのに、中止しなかった。だから、悪魔が現れたのだ。みなさん、この画像はうそじゃない! 神を信じなさい。悪魔の復活の兆しをもっと真剣に恐れ受け止めなさい」と訴えた。
ある音楽事情通は「確かにピンクポップ・フェスティバルの際には毎回、不気味な暗雲が垂れ込めるのです。2009年、2011年、2013年、そして今年。過去5年で4度も空が暗雲に覆われたのです」と語る。
今回のデーモン・クラウドの出現は、罰当たりな音楽祭に怒った神が罰を当てたというより、背徳の音楽祭を喜んだ悪魔が自ら信奉者に顔をさらしたと見るべきだろう。
オカルトマニアは「過去の映像、画像もチェックしたのですが、なんとなく暗雲に、悪魔のような顔が見えるのかなという程度でした。ところが、今回のは完全に悪魔の顔です。さすがに怖いです」と震える。
悪魔の出現の恐怖におびえる人々は、「ヘビメタバンドをつぶせ」「ピンクポップ音楽祭を中止せよ」「うちの妻はメタリカ好きだ。やめさせないと」とおびえる。確かにヘビメタバンドは、「神を殺せ」「悪魔と生きよ」などと神をののしり、悪魔を崇拝することがモチーフだ。ステージ上で聖書を破るパフォーマンスをし、カトリック教会からクレームを受けたバンドもある。
一方、画像について冷静に「フォトショップで作った画像じゃないのか」という声もある。加工された画像である可能性を考え、調査したところ、意外なものが引っかかった。映画「ハリー・ポッターと謎のプリンス」だ。同映画内の「ダーク・マーク」だ。史上最悪の魔法使いヴォルデモート卿のシンボルで、空に浮かび上がったりするものだ。今回は誰がこの加工画像を作ったのかとの疑惑が持ち上がったが、画像流用の確たる証拠をつかむことはできなかった。
しかし、ピンクポップ音楽祭潰しを本気で画策する、カトリック系過激派集団が、オランダ警察当局のテロ対策捜査線上に浮かび上がったことも確かだ。果たして今回のデーモン・クラウドは悪魔の復活の前触れなのか…。WWNは今後もこの事件を調査し続ける。