太陽フレアによる太陽嵐が地球に到達すれば、強烈な磁気嵐で地上の文明は崩壊してしまうという。
UPDATE 2013/11/26
アメリカ・ヒューストン
アメリカ航空宇宙局(NASA)が恐ろしい報告書を発表した。NASAの天文学者チームによると、早ければ年内、少なくとも2014年中に太陽が長年の〝冬眠状態〟から目覚め、地球に深刻な悪影響を与えるだけでなく、地球を周回しているすべての通信衛星を強力な電磁波で破壊してしまうという。
この報告をまとめた天文学者は、太陽の表面温度が急上昇しているという統計データを引用。さらに、報告書にはイギリスのリアム・フォックス元国防相が「強烈な磁気嵐は地球の電子機器、発電所などすべての電気系統に壊滅的なダメージを引き起こす」と指摘していることも盛り込んでいる。
太陽の表面温度が上がると、太陽フレアと呼ばれる爆発現象が生まれる。太陽フレアが発生するとコロナ質量放出というプラズマの塊が放出される。プラズマの塊から生じる強力な放射能や電磁波が地球に到達する現象が、太陽嵐と呼ばれているものだ。もし強烈な放射能や電磁波を含む太陽嵐が地球に吹き付けると、無線通信の中断を起こす地球の電離層の乱れを起こし、地球では磁気嵐が起き、電気や電信を用いるありとあらゆる人類の文明は崩壊するだろう。電車や飛行機はもちろんストップ。GPSも働かなくなる。携帯電話も携帯端末もパソコンもラジオもテレビも冷蔵庫も全て使えなくなる。人類社会は一気に原始時代へ戻ってしまうということになる。
リアム氏は「社会はテクノロジーに依存しすぎているため、脆弱だ。地球磁気圏など地球が持つ自然の防衛システムは、テクノロジーを守ってはくれない。太陽が〝反乱〟を起こしたら、すべてのコンピューターが壊れる。そうすると、コンピューターで管理されている銀行システムも壊れ、世界経済も崩壊することになる」と報告書にまとめている。この太陽嵐による地球のテクノロジーシステムの混乱は数時間で済むのか、それとも数か月に及ぶのかは不明だが、事前に準備していれば被害は最小限に抑えることはできるだろう。
科学者たちはこの11年にわたり太陽の活動を調査してきた。それ以前まで太陽は穏やかだった。しかし、専門家は「これは嵐の前の静けさにすぎなかっただけ」と話す。小さな太陽フレアはたった1回起こるだけで、水爆の100個分のエネルギーに相当する。大型の太陽フレアは地球すべての石油や石炭を燃やした熱エネルギーの100倍だという。
そんな太陽フレアによって太陽嵐が起きると、1日か2日で地球に到達し、磁気嵐が経済に大混乱をもたらす。ハリケーン「カトリーナ」の被害の20倍と見積もられている。2005年8月にアメリカを襲ったカトリーナは住宅破壊や死亡者を出した被害に加え、油田地帯と穀物地帯を破壊し、大学などの教育機関も破壊したことで就職や進学にも影響を与え、250億ドル(約2兆8000億円)もの被害を出したとされている。太陽嵐による被害は、実にその20倍にもなるというのだ。
さらに被害は起こる。ある医師は「磁気嵐が起こると、心疾患のリスクが高まります。心筋梗塞になった人のうち13%は、磁気嵐中になっています。天候の変化が精神疾患に影響を与えるように、磁気嵐も精神疾患に影響します。磁気嵐が脳に悪影響を及ぼし、暴力的になるという説もある。ロシアの科学者アレクサンドル・チジェフスキー博士は1915年に、大戦争や紛争の引き金は磁気嵐だったと発表しています」と語る。
NASAが2002年に観測した巨大太陽フレアは、地球の直径の30倍もの大きさだった。その時の太陽嵐は地球に向いてこなかったため、幸運にも地球に影響はなかった。しかし来年、いよいよ太陽活動が11年ぶりにピークに達する。今回も巨大な太陽フレアが発生するのは確実だ。
人類の歴史や繁栄など、たった一度の太陽嵐で全て吹き飛んでしまう。何とか、地球と反対側の面で太陽フレアが起きることを願いたい。