中国の若者が「スマホの爆発から身を守れる!」と絶大な支持を得ているヒット商品“防爆膜”現実的な効果は薄いと言われるが…。
UPDATE/2013/11/14
中国・福州市
中国ではスマホの爆発事故がしばしば伝えられ、多くのユーザーが神経を尖らしている。 中でも、最も品質が高く安全なハズのiphoneの爆発事故に注目されている。中国の検索エンジン百度(バイドゥ)で、「iphone 爆発」を検索してみると、実に200万件以上もの関連記事がヒットするのだから驚きだ。今月に入ってからは、最新のiphone5sの爆発事故もネット上大きな話題となっている。そんな中、スマホの爆発から身を守る「防爆膜」が猛烈な勢いで売れているのだという。
福建省「東南新聞綱」によると、同省福州市で電子機器関連の取扱店が集中する「大利嘉一」電子市場でも、「防爆膜」は売上げ激増中。
「『防爆膜』は二年前からあった製品。前は余り売れなかったが、最近のスマホ爆発ブームのおかげで、注目され売上げが激増している」と朱店長。朱氏の店で扱っている「防爆膜」は、iphone4,iphont5,SumSangS4等、いわゆる「ブランドスマホ」用の数種類のみ。その価格は、30元~300元と、かなり価格の幅が在る。中国の通販サイト「タオバオ」でも、「防爆膜」は人気急上昇中、4000種以上の商品を掲載しているサイトもあり、人気モデルは一ヶ月で685枚も売れているとのこと。
さて、「防爆膜」を付ければ、本当にスマホの爆発から身を守る事ができるのか、記者がその質問を前出の朱店長に訪ねると、「ハハハ!そんな効果あるわけないだろう。そもそも、スマホ爆発の原因は、ほとんど粗悪バッテリー。大抵のバッテリーはスマホの後部にある。この防爆膜はスマホ前方の液晶に貼られるんだから、どう考えても爆発を防ぐことは無理あるヨ」と大笑いした。
専門家によると、同商品は厚さ0.2-0.4ミリの強化ガラスで作られており、「通常の保護膜であるPET樹脂より、多少はスマホの破片が飛び散ることを抑制するだろう」という。「ただし、膜の厚みや使用材料によって値段も性能も全然違う。中には、通常フィルムより少し厚めに作られているだけで、防爆効果が全くないものも少なくない。売り手が『これをはっておけば、爆発しても大丈夫』と記すのは誇大宣伝でしかない」と、消費者の注意を促している。
それにしても、スマホは爆発するものという前提で大売れしている防爆膜。「分厚くなって使いにくくはなるけど、我慢出来る範囲だ」「破片の飛散防止だけでも十分安心できる」「iphoneを落とした時に液晶が割れることを防いでくれるだけでも価値あり」という気休めの意見が正直なところのようだ。
それにしても、爆発しない高品質の日本製バッテリーに買い替えるという声が全くでないのが気になるところ。
「人に見せて自慢できる防爆膜に出す金はあっても、他人に見えないバッテリーには1元も使いたく無いというのが中国人気質です」という専門家の意見に思わず納得。これじゃこの連続スマホ爆発事件は、当分終息しそうな気がしません…トホホッ。