UPDATE/2013/11/07
中国・広東省
中国のセレブ男性の優雅な生活ぶりは有名だが、その玉の輿に乗ろうとする美女達の苦労も相当なもののようだ。
会場で記者が見た女性は、年齢が大体20~35歳の間、現役女子大生、OL、教師、警官、流暢な英語を話す帰国女等、いずれも容姿端麗で、教養も抜群の女性たちばかり。彼女らが集まったのは、アイドルグループのコンサートや握手会ではなく、有名ブランドのバーゲンでもない。「高端狩艶」という独身セレブ男性とのお見合いパーティに参加するためだ。しかし、妙なことに、お見合いパーティのはずが、会場には肝心の男性は1人もいない…。実は、このクラブでは、お見合いパーティに参加するための一次審査が行われているのだという。
参加女性たちは、会場で容姿、身長、体重、声質等の検査を受けた上、更に、一般教養などの試験を受験した。この難関をくぐり抜け、晴れて合格者が登録されるのは、「中国独身百美リスト」というデータバンク。そして、そのデータバンクの利用者、つまり、お見合いパーティーの男性陣こそが、もう1つのリスト「500万元族」のメンバーなのだ。メンバーは、年収100万元(約1600万円)、もしくは、預金残高500万元(約8000万円)以上が必須条件。
ところで、この熾烈な審査会場で記者が見たのは、まさかのアノ機械。参加者の女性は、全員両手の薬指に、センサーを取り付ける。そのセンサーがコンピューターと接続されているのはいうまでもない。スクリーンに映し出される、何本かの波線は、まさにFBIなどでよく使われている、ウソ発見機の姿そのものだ!
早速、主催側に確認を取ったところ、主催側はあっさり「えぇ、ウソ発見機ですよ」と認めた。ウソ発見機は、対象者の皮膚に伝わる電圧、脈拍、血圧などを測定することによって、被測人がウソをついているかの判定を行うという仕組み。刑事被告人の証言の信憑性が疑問視される場合等に使われるのはご存知の通りだ。普通の人なら、ウソ発見器にかけられると聞いて良い気持ちがするわけがない。
記者が参加女性に「自分にウソ発見機が使われていたのを知ってたか?」と訪ねたところ、ほぼ全員が知らなかったと回答。「プライバシー侵害だ!」と怒りをあらわにした女性もいた。
中国美女単身同盟の李暁佳さんは、今回のお見合い予備審査会について、「お見合いというよりは、美人品評会ですね(笑)。しかし、参加者をランク分けして、更に、ウソ発見機を内緒で使うなんて、女性を商品としてしか見ていないというか、失礼にもほどがあるでしょう」と語っている。
セレブとの見合いというエサに群がる美女の下心が気になるのも分るが、結婚後の生活にウソ発見機を持ち込むわけにもいかないだろう。彼らが厳しいオーディションを勝ち抜いた美女の中から、真実の愛を手に入れられる日はくるのだろうか?