ミステイク・インターナショナル世界大会で優勝し、報道陣に笑顔を見せる森口尚史さん(中央)=21日午後、マジソン・スクエアガーデン
UPDATE 2012/10/22
ニューヨーク州・ニューヨーク
毎年世界最大の失敗を讃える祭典、第53回ミステイク・インターナショナル世界大会inニューヨーク2012(同開催実行委員会主催)の決勝大会が、21日ニューヨークのマジソン・スクエアガーデンで行われた。日本代表で奈良県出身の医科学研究者 森口尚史さん(47)が、栄えある1位(グランプリ)に輝いた。日本人の優勝は初。森口さんは医科学報道関係者が選ぶ特別賞「ミステイク・サイエンス賞」も受賞した。
森口さんは「日本人では優勝できないと言われていた大会。『ナンバーワン・ミステイク・イズ・ジャパン!』とコールされた時には夢のようだった」と喜び、「恩師である東京医科歯科大の佐藤千史(ちふみ)教授や、共同研究者の米ハーバード大医学部 レイモンド・チャン准教授と喜びを分かち合いたい」と感謝の意を語った。
今大会は北米最大の大失敗といわれる2003年の“ニューヨーク大停電”の20周年を記念し、20年ぶりにニューヨークで開催。69カ国・地域の代表が参加した。森口さんには賞金1ドル(約80円)とトロフィーなどが贈られた。
会場には世界各国から約2700人の観客が訪れた。かつて父親が同賞(グランプリ&ミステイク・平和賞)をW受賞したという金正男さん(自分探しの旅の途中)は「みんな誰でも失敗するんだと実感して安心した。少し胸のつかえが取れた気がする」とはにかんでいた。