20世紀最大のミステリーと呼ばれる、ネス湖のネッシー。ついにその正体が暴かれる日がやってきたのかもしれない。
UPDATE 2012/08/21
スコットランド・インヴァネス
オリンピックの興奮冷めやらぬイギリスからビックニュースが届いた!なんとネス湖の漁船のソナーに大小2つの巨大な生物の影が映り込んだというのだ。現在ネス湖のほとりの街インヴァネスは、「ネッシーの子供か孫発見!」のニュースに、史上空前のネッシーブームが巻き起こっている。スコットランド北部の人口4万人の田舎町には、数十万人のネッシーファンが訪れ、連日お祭り騒ぎとなっている。
ネッシーとは、ネス湖に住むとされる伝説のモンスター。その姿は大恐竜時代の首長竜そのもので、「絶滅したはずの恐竜の生き残りか!」と世界中から注目されているUMA(未確認生物)の代表格だ。
同地では6世紀頃から「ネス湖のモンスター」として存在が記録され伝わっていたが、1933年の相次ぐ目撃事件と、撮影に成功した?といわれる写真がイギリスの有力新聞デイリー・メールに掲載されて以来、一気に人気がブレイク。その人気は80年後の現在に至るまで衰えていない。
WWNが入手した問題のソナーの写真には、確かに水面下23mのあたりを漂う2つの巨大な物体が映し出されている。前回WWNがネッシーの子供をスクープしたのは1992年4月。もし今回の小さな影がネッシーの幼生なら、1933年から数えて第三世代のネッシー、つまり孫ということになる。
ところで、ネッシー発見が難しいのには理由がある。先ずは常に湖面をおおう霧の発生。次に透明度3mという湖面から水深50mまでの水の濁り。そして水深50m以下を流れる冷たく速い水流。この温冷の水の境目がソナーを乱反射させること。極めつけは深さ290mにも及ぶ湖底の裂け目と、そこから続いていると言われる地底湖の存在だ。追えば追う程、ネッシーはこれらの探知不能ゾーンに逃げ込んでいるのかもしれない。
「ネッシーに孫の存在は実に嬉しいニュースです。これは繁殖を行った親の世代がいることを意味し、その親の世代を考えれば、最低ネッシーは5家族15頭以上いることになります。ネス湖のあるグレートブリテン島という完全に閉鎖された環境は、赤道直下のガラパゴス島に等しく、独自の生態系と進化の道を生物達に与えています。しかも同島北部のスコットランドは、固い岩盤で覆われた特殊な環境。数億年手付かずとのままの地下空洞や地底湖が無数に存在するといわれています。シーラカンス同様ここに古代生物の群生が生き残っていても、何も不思議はありません」WWN主任研究員Dr.TAXI
当然現在に至るまで世界中の科学者や研究者が、最新の機器を使いネス湖でネッシー調査を行っている。その中でも圧巻なのが、87年に行なわれた「オペレーション・ディープ・スキャン」という大捜査。100ヤード(約91m)間隔でソナー付きのボートを運航させ、長さ約30kmにも及ぶネス湖のほぼ全域の水中調査が敢行されたのだ。世界中のテレビ局が押し掛け、湖面が埋まる程の船が出動したが、結局、正体不明の巨大な影がソナーに数回映し出されただけでネッシーの姿をとらえることはできなかった。
WWNは、この度重なる大規模調査が失敗した原因は、敏感なネッシーを追いかけたからだと見ている。確かに、あれほどの大騒動を行えば、ネッシーが逃げだすのは当然かもしれない。
そこでWWNは、20年ぶりのネッシー発見のビックチャンスをつかみ取るべく、ネス湖にDr.TAXIをトップとする調査チームを送った。作戦は、従来の調査失敗の反省を活かし、無理なネッシー追従を避け待ち伏せに終始。ネッシー目撃が最も多いアーカート城沖のネス湖最深部(水深約290mの裂け目)の入口あたりに、カジキ釣り用のイカやサケの疑似餌を置いて待ち続ける。つまり、お魚くわえたネッシーを一気に追いかける“オペレーション・サザエ”とした。
調査開始から3日目、時刻が午後3時を回った頃。なんの前触れもなく、いきなりトラップの竿がUの字に引っ張られた!しかし、体験したことのない暴力的な引きのあと、「バシッ!」という音を残してラインは切れてしまった。しかし、WWN調査班は水面下をゆっくりと遠ざかる巨大な黒い影を確認する事ができた!体長数mの姿は、ちょうど首長竜の幼生と一致するが…。
一部始終を見ていた現地の釣り人は、「ネッ…、いや、きっとチョウザメだよ。大きかった。いや大きかった。残念だったな」と、興奮ぎみに語っていた。
それはチョウザメかもしれないし、ネッシーだったのかもしれない。ただ、少なくともスルメイカ大のカジキ釣り用ルアーを軽くひと飲みにする生物であることは間違いない。漆黒の巨大な生物がネス湖にいることをWWNは確認できた。WWNは引き続きネッシー一族の調査を行うつもりだ。
この記事を読んで、「われこそは!」と腕に覚えのある釣り人は、ぜひネス湖に行ってみてほしい。ロンドンからクルマで15時間、スコットランドの首都エディンバラからでも3時間半かかるけど、それでも世界中から人々が押し寄せるほど魅力的な場所であることは間違いない。
ただ、WWNからひとつだけお願いしたい。もし本当にネッシーを釣り上げたら、記念撮影をした後、ちゃんとリリースしてあげて欲しい。この最高に楽しいミステリーを、世界中の未来の人々も楽しめるように!