氷の世界と思っていた土星は巨大な原子炉だった!暴走すれば大爆発、そうなると地球なんてひとたまりもない…。
UPDATE 2012/08/03
テキサス州・ヒューストン
NASAが、犬猿の仲である欧州宇宙機関(ESA)と共同で探査機カッシーニを開発し調査をすすめる程、土星は謎の多い星だ。地球の100倍近い重さがありながら、全体では水より軽い密度という、未知の巨大ガス惑星だからだ!その特殊な環境が、地球に住む我々には理解しがたいのも当然かもしれない。
一般に木星型と言われる巨大ガス惑星の主要な構成物は水素。土星も表面近くは気体の水素で、内部に進むにつれ重力により圧力が増し液体水素に、さらに中心部に進むと液体金属状態!という理解しがたい状態になっているらしい。
そんな巨大ガス惑星を調査するカッシーニから、非常に嫌な異変兆候が報告されてしまった。高さ3200kmもの巨大なフレア(表面爆発現象)が観測されてしまったのだ。一般にフレアは太陽の表面で観測されるものが良く知られている。遠目には太陽に生えた産毛のように見えるフレアだが、中規模のものでさえ、水爆1000万個分ものパワーと計算されている。まともに喰らえば、地球なんかひとたまりもない凄まじい爆発であることはいうまでもない。
つまり太陽は常に水素核融合で巨大な熱エネルギーを放出し続けている原子炉なわけで、そのおかげで地球上の全ての生物も生活ができているわけだ。
その理屈から考えると、当然太陽に近い惑星程熱く、遠い惑星程冷たいということになる。太陽から地球までの距離が約1億5000万km。土星までの距離は平均14億km以上。そうなると、当然土星は極寒の冷凍ガスに覆われた世界と思われていたのも当然だろう。ところが、その表面で超高熱のフレア現象が起こったとなると話が違う。太陽由来ではない巨大な熱源が土星にあるということになってしまうのだ!
最初科学者達は、土星のフレア現象は、衛星であるタイタンから吸い寄せられた微小物資の影だと思っていたようだ。しかし、より詳細な検査で、ホンモノのフレアであることを確認し、土星自体に大規模な異変が起こっていることを突き止めてしまったのだ。
NASAの主任天体物理学者ロバート・コミト博士は、「我々は土星が極寒の惑星だと思っていました。しかしそうではなく、表面でフレア爆発を起こす程、水素核融合が進んでいるとすれば、土星クラスのサイズの惑星なら、中心部は既に重力崩壊寸前…。1年どころか10ヶ月程度で大爆発を起こし崩壊してしまってもおかしくありません。これは小型の太陽の崩壊爆発にも匹敵し、10億km程度の至近距離に位置する地球等、真っ赤に焼けたオーブンに水滴を1滴たらすようなもの。一瞬で蒸発してしまうでしょう」と語っています。
土星のエネルギー上昇の発見が遅れたのは、そのエネルギーを内部に向かって貯め込んでいたから。そして接近したカッシーニの高性能カメラでも撮影が難しい程の、非可視性ガスで覆われているため、ということらしい。
そしてその限界まで貯め込んだ巨大なエネルギーを、今全て解き放とうとしているというのだからたまったモノじゃない。
WWNの取材に対し「現在NASAの研究者は、総力を上げて土星の異変を分析しています。しかし、我々の運命は、太平洋に浮かんだ木の葉に等しいかも知れません」と、国連スペシャルパネリスト、ジョン・マレー博士は悲観的に語っています。
さて分厚い極寒の雲の下に貯めこんでいた巨大な熱エネルギー…、あと10ヶ月と言わず、できればこのまま閉じ込めておいて欲しいと願うばかりだ。
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