中国でなぜか絶大な人気を誇るAV女優“蒼井そら”。彼女が中国の日本語普及に多大な貢献をしているというが、少々偏った日本語のようだ(苦笑)。
UPDATE 2012/03/07
中国・上海
「空老師(AV女優の蒼井そら)と素敵なホワイトデーを!」これが3月に入ってから、中国の「宅男」(お宅男性)の間では最もホットな話題なのだという。その理由は、今年の2月末に、“中国版ツイッター”と呼ばれる簡易投稿サイト・新浪微博(Sina Weibo)で約1000万人ものフォロワーを持つAV女優“蒼井そら”が、初の中国語映画出演を決めたことにある。
3月14日にインターネットで公開予定のこのショートフィルム「第二夢」は、日中韓三か国の製作チームによる作品で、恋愛・サスペンスなど多要素を織り交ぜた不思議な作品となっているらしい。
この映画で、蒼井そらはコスプレ好きの日本人役を演じるという。表現者としての芸術性を追究し、インスピレーションを得るために、中国の伝統音楽を学びに中国にやってくる。そこで中国人男性と出会い、恋に落ちるというヘンテコなストーリーだとか…。
彼女は、恋心を持てあますうちに現実と空想の境がわからなくなり、夢の中で80年前の上海にタイムスリップしてしまうらしいが、その展開はマニア以外には意味不明(苦笑)。最も、多くの中国人男性にとって、シナリオなど、どうでもいいことのようだ。
日本人デザイナーが手がけたという蒼井の衣装も見どころだが、作中ではファン待望の見事なチャイナドレス姿も披露するという。
1000万人の“粉糸”(=フォロアー)たちの間では、「早く見たい!」、「空老師のチャイナドレス姿はタマラナイぜ!」、「脱いでくれ。いや、頼むから、チャイナドレスをオレに脱がさせて!」、「空老師のセクシー中国語で萌えまくり~」と、すでにホワイトデーが待ち切れない様子だ。
しかし、失礼ながら日本にはもっと若くてかわいいAV女優やグラビアアイドルなどがいるのに、なぜ中国では蒼井そらだけがそれ程人気なのか?
中国人ジャーナリストの戴世煜氏は、「彼女は中国語や中国の伝統文化を、とても熱心に積極的に学んでいます。その姿に親しみを感じるのでしょう。さらに、中国での活動ではAV嬢のイメージを一新する清純路線。AVでの激しい演技と、目の前の清純さ。昼は天使、夜は悪魔という二面性が、中国宅男の心をガッシリと掴んだのだと思います。今から約15年前に、酒井法子が中国で大人気になったのも、その当時の彼女が積極的に中国のことを勉強する姿勢を見せたことに、親しみやすさを感じたからでした。実際、今中国で最も人気の日本人俳優、矢野浩二も、親しみやすさが最大のセールスポイント。戦争映画に登場する日本人は『おいこら!』と怒鳴り散らすだけの嫌な奴。現代中国で外国人が成功するには、等身大の親しみやすさが必須。親しみやすい日本人女性がブレイクするのは当然でしょう」と分析する。
実際中国人男性の日本女性好きは有名だ。本来中国は、アダルトビデオどころか、外国映画の濡れ場のシーンさえもカットしてから上映するほど、性的描写には大変厳しい国。しかし蒼井そらなどの日本のAV女優の認知度がそこまで高いのは、AVの不正ダウンロードサイトの存在が大きいのだという。
前出の戴氏は「以前中国には無料のAVダウンロードサイトが無数に存在していましたが、今は残念ながら国の取り締まりにより、ほとんど消えています。その代わりに登場しているのは、『emule』や『BTダウンロード』等のP to Pのシェアソフトです。そこには個人が自由に映像をアップできるので、取り締まりは大変難しくなっています。例えば、『emule』で『蒼井空 AV』のようなキーワードを入れて検索すれば、常に何万本以上の『種』(=映像ファイル)がヒットします。彼女の人気ぶりは凄まじいですよ」と中国のAV事情を語ってくれた。
こんな事情も在り、大半の中国人男性が最初に覚える日本語は、女性のあえぎ声の「いや~ん、ヤメて!」なのだという。そういう意味では、蒼井そらの中国での日本語普及上の貢献度は計り知れないかもしれない(苦笑)。
ならば、今後もし日本の政治家が中国人の機嫌を損ねるような発言をして窮地に陥ってしまった場合、苦しい板挟みの発言を繰り返すより「いや~ん、ヤメて!」と言ってみればどうだろう。案外全てが解決するかもしれない…。
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