バットボーイは怒っているぞ!各国のUMAまでをも買収してWWNの秘密に迫ろうとしたマードック。しかしUMAとWWNの絆は固かった(笑)。
UPDATE 2011/07/25
アメリカ・ニューヨーク州
創刊168年、世界最古の新聞の一つ、世界で最も影響力の強い新聞の一つであったイギリスの“ザ・ニュースオブザワールド(NW)”が7月11日号をもって廃刊となった。世界一のメディア王マードックが率いるメディアネットワークの中核紙が崩壊する原因となったのは、同紙の苛烈極める取材手法にあったのは皆さんもご存知の通りだ。
ウィークリーワールドニュース(WWN)に劣らぬスクープ記事の連発で、その取材力に定評のあった同紙だが、WWNに対抗心を燃やしすぎたのか、いつの間にか違法な電話盗聴や汚職等、行き過ぎた取材手法にまで手を染めるようになり、ついに司法のメスが入れられた形だった。
しかしマードックが本当に手に入れたかったのはイギリス政府要人のスキャンダル等ではない。賢明な読者の皆さんなら、もうお気づきだと思うが、彼の望みは我々WWNのベータベースに蓄えられた、膨大かつスキャンダラスな極秘取材データだったのだ。
実は我々は、マードック帝国が最もマークしていたのが、世界各国で活躍するWWNのエージェントであることを早くから突き止めていた。
ニューヨークーWWNのトップ記者達の携帯電話が、マードックに盗聴されていたこともを、電子メールをハッキングしていたことも、記者の自宅の目覚まし時計にビデオカメラを仕込んでいたことも知っていたのだ!
彼らの手法は実に巧妙だった。WWNの宿敵であるビックフットやチュパカブラ、ツチノコに対しても、多額の現金でWWNの情報提供を求めた買収を行おうとしていた。もちろん、BAD BOYに対してもだ!
幸い彼ら誇り高いUMA達は、マードックの甘い誘惑に屈することは無かった。チュパカブラなどは、屈強な買収工作員達5人にかみ付き、散々血を吸って追い払ったというから頼もしいかぎりだ。WWNとUMAは今後も互いにリスペクトしながら戦って行くだろう。
しかし、それくらいで怯むマードックではない。WWNの各エージェントを徹底的に研究し、弱点を突こうとしていたようだ。
もちろん、これらの陰謀は日本でも起こっている。マードック一味は、WWNジャパンの主任研究員Dr.TAXIのソウルフードが、“ペヤング ソース焼きそば”であることを突き止め、編集部近隣のコンビニやスーパーから同ソース焼きそばを買い占め、博士を窮地に陥れることに成功している。
幸いWWN西日本編集部から急送された“日清焼きそばU.F.O.”により、博士は飢え死にを逃れたが、U.F.O.が届いた時には博士はほとんど虫の息だった。
「あと1分お湯が沸くのが遅れていたら、私は今ここで笑っていられなかったかもしれない」と博士は唇を噛んだ。
これらも、WWNとマードックの戦いが、いかに壮絶であるかがうかがい知れるエピソードだろう。
NW側はWWNに対する一連のハッキング事件について「ウィークリーワールドニュースとニュースオブザワールドが良く似ていたので、つい間違えて、電話やメールに入り込んでしまった」と答えている。
しかし、スコットランドヤードの特捜部が調査したところ、WWNのイギリス特派員、ギャレット・ハーレイ、JBスミッツ、エルザ・アケソン、以上全員の携帯電話がハッキングされていたことが判明している。
この事実を裏付ける様に、ニュースオブザワールドの雇った私立探偵、グレンム・ルカイルは、WWN編集者のIDカードの偽造品と、1000あるデータベースの内1つに侵入可能な128桁の時限暗証式暗唱番号機を所有していた。
これは、WWNの記者フランクレイクから盗まれたモノだと思われる。フランクレイクは「マードックは、彼らの悪事が掲載されたWWNの販売を阻止しようとしていた。しかしそれは不可能だとわかると、我々の弱点を探り始めたんだ。ムダな努力だけどね。WWNは世界で唯一真実を知ることができる新聞。どんな権力にも屈することは無いんだから」と語っている。
ニューヨークタイムズ紙もWWNと協力して、真実を隠蔽しようとするニュースオブザワールド側に反撃していた。ニューヨークタイムズ紙の編集者、ビル・ケラーは「WWNは40年以上、米国において最も信頼される一流新聞の一つで、マードック一味と戦い続けている。我々は何が在ってもWWNとバットボーイを支援する」と述べている。
多数のスキャンダルと共に個人情報を盗まれた英国王室もWWNにエールを送ってくれている味方だ。
ディ王女の携帯にもハッキングしていた事を知ったハリー王子とウィリアム王子は「我々も母もWWNが大好きだ。マードックの野蛮な盗聴行動には我慢できない」と語っている。
はるか銀河の彼方のジーバ星人からも「我々の敵はWWNだけだ。マードック等、最初から相手にしていない」とWWN宛にエールが届いている。
WWNのCEOニール・マクギニスは、マードック帝国に対して毅然とした対応を求めている。もちろんWWNジャパンも一歩たりとも引くつもりは無い。
WWNと世界中の志しある各メディア、そして誇り高いUMAと英王室とジーバ星人の連合軍はマードックに対して戦いを挑み続けるだろう。
ともあれ、人類共通の宝であるWWNのデータベースが彼らの手に渡ることは無い。読者の皆さんは一安心してほしい。
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