永年の麻薬組織との戦いで市街戦の実戦経験たっぷり。昼夜無く銃弾飛び交うマフィア撲滅作戦を生き抜いた精鋭ぞろいのメキシコ陸軍は屈強だ。
UPDATE 2011/07/02
アリゾナ州・カサグランデ
アメリカ・メキシコ国境では、一体今何が起こっているのだろうか!?
イラクやアフガニスタンへ相次いで精鋭部隊を投入しているため、アメリカの国境警備は現在骨抜きのグダグダ状況なのはご存知の通り。それをいいことに、メキシコ軍はアメリカ合衆国への電撃侵略作戦の準備を進めているという。さて、メキシコ軍は本当にアメリカ侵入が可能なのか?
6月23日。アリゾナ州当局は、武装したメキシコ軍の大部隊が国境を越えてアメリカに入国するところを確認した。軍用車両の大群が、物々しくアリゾナ州のピマ郡北部へと向かっていったのだ。
このメキシコ軍大部隊の侵入は規模が大きすぎて、国境警備隊レベルでの対処は不可能。州軍およびアメリカ軍のヘルプなしでは、とても対抗できないとお手上げになるほどだった。
国境警備の代理人、クリス・コブ氏は「メキシコ軍の大量のハンヴィーやVCR装甲兵員輸送車には、少なくとも見ても、ザッと千人の兵士が乗っているだろう」と推察。
メキシコ軍はアメリカの税関検査所を通過し、あっさりとアメリカ国境を越えた。そしてメキシコ軍の兵士は輸送車から降りて、雑木林の中を疾走したのだ。なんと露骨で大胆な偵察行為だろうか。兵士たちは、さらに大量のメキシコ軍主力戦闘車両が待機する、牧場の中の廃墟群のほうを目がけて丘に駈けのぼっていった。
幸い発砲の音は聞こえなかった…。まさか、それで安心したとは思いたくないのだが、アメリカの国境警備隊は呑気に基地に戻ってしまったのだ!その後、メキシコ国旗が、アリゾナ州の都市カサグランデにそびえ立ったのは言うまでもない。
「アメリカ政府がどう対処すべきか考えあぐねいている間に、メキシコ軍の侵略は牧場5軒分くらい進み、彼らは全く反撃を受けずに無傷でメキシコに退却した」とは、国境警備隊の代理人フィリップ・グラッドウェルの弁。さらに、フィリップはこう続けた。
「彼らは明らかに、徹底的にアメリカ侵略の準備を進めているのだ。危機感を持つ我々は、オバマ政府に援軍要求を続けてきた。しかし彼らは陸軍や州軍を送ることを拒否したんだ」
オバマ政府は、メキシコ軍のアリゾナ侵略の可能性を無視しているのか?ホワイトハウスの新任報道官ジェイ・カーニーが発表したコメントは次の通り。
「その件に関してはノーコメントだ」
そもそも、1846年のアメリカ・メキシコ戦争以前は、アリゾナもカリフォルニアもメキシコ領土だった。この戦争でメキシコは国土の1/3を失っている。アメリカの国の乱れに乗じてメキシコが旧国土の再奪取を画策しても不思議は無いのかもしれない…。だとすれば、これは165年前の復讐戦の前兆なのか。
いずれにしても、アメリカ政府がテロ対策に手を焼いている内に、手薄なアリゾナ国境から連日メキシコ人が大量に不法侵入しているのは事実だ。現在アメリカには約1100万人の不法移民がいるといわれている。その内半数はメキシコ国境沿いの4州に暮らしている。アリゾナにも確実に数百万人のメキシコ移民がいるハズだ。彼らが、アリゾナ北部に広大な保留地を持ち、決してアメリカ政府や軍に屈することのないナホバ族とタッグを組めば、アリゾナの占領等容易いだろう。彼らをアメリカ軍が攻撃すれば、自国民を守るため、メキシコ軍が介入する事は想像に難くない…。
オバマ大統領としては、これ以上の不法移民の流入を許すわけにもいかないが、アメリカの製造業やサービス業の底辺を支えているのが彼らであるのは間違いない。実はテロとの戦いよりもアリゾナ問題の方が頭痛の種なのかもしれない。
昨年、不法滞在者を徹底的に取り締まり国外退去させる“アリゾナ移民法”は成立したが、同胞の危機に対して、数百万人の合法メキシコ系移民が一斉に猛反発!同じ移民の苦労を知るマイノリティの民族も次々と追従し、状況は収拾どころか、むしろ悪化している。移民の国アメリカならではの、このメキシコ国境移民問題。何とか解決の糸口が見つかって欲しいものだ。
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