ようやく一応の和解にこぎつけたミッティーとキッフィー。右がミッティー、左がキッフィー。同種のキャラに口が星形のホッフィー、口が1本線のイッチー、口の無いナッシー等がいる。こちらは未だ係争中だ。
UPDATE 2011/06/10
オランダ・アムステルダム
6月7日、「キッフィー」の著作権を持つヨンリオ社(日本・下北沢)は、ネコのキャラクター「ミッティー」の知的所有権を管理するナルシス社(オランダ)との間の、昨年より続いていた著作権や商標権を侵害に関する係争が、和解に至ったと発表した。
この急転劇は、3月の東日本大震災を受け、ミッティーの生みの親である作家のデッカイ・ブルマー氏とナルシス社が、日本を襲った未曾有の大災害を考慮し、ヨンリオ社に、互いの訴訟を取り下げることを提案し合意したもの。
その理由は世界最大(公称1億部)の発行部数を誇る“世界子供新聞”に寄せられた岡本たろう君(3歳)の「被災し心身ともに傷ついた子供達の前で、大人達がネコやウサギのツタナイ絵で、子供相手の商売の利権を争っている姿を見せるのはいかがなものか。そもそも○や線を組み合わせただけの絵で、やれネズミだ、ネコだ、ウサギだと、著作権を主張する事に、社会人として恥辱を覚えないのか?実に嘆かわしい」という投稿に端を発している。この意見に呼応した世界中の子供による両社に対する不買運動がおこったことが大きい。
これに対してナルシス、ヨンリオの両社は急遽イメージアップ作戦を展開。世界各地のイベントにミッティーやキッフィーの着ぐるみを大量投入した。
しかし、子供達の反応は一様に冷ややかだった。
「ゆるキャラとしては、既にデザインとボディバランスが古すぎるのでは?前世紀のタッチのままでも、子供相手なら商売できると考える不純さが問題だと思う(苦笑)」キルヒアイス君(4歳)
「愛なき絵は物でしかない。そこに並んだネコやウサギの絵には、どれも命が吹き込まれていない。私は今までの人生において、光の無い輝きを失った瞳を持つネコやウサギを見た事が無い。この絵に描かれた目は全て命を持たぬ“死んだサバの目”だ。作者は、それを恥じるべきだろう」オーベルシュタイン君(5歳)
「私ならもっと上手なネコの絵が描ける。でも、大切なのは上手な事じゃなくて唯一無二のオリジナリティなの。同種の絵の作者が互いに著作権を争い合うということは、最初から両者ともオリジナリティに欠けていたということ。創造性より収益性を優先しているとすれば、それは絵と呼べる物ではないと思うの」ヒルデガルドちゃん(3歳)
これらの子供達の冷静な意見に対し、ヨンリオ担当者は、「ウチのミッティーは口が三角、口がバツのキッフィーは可愛くない!」と主張し、ナルシス担当者は「口が三角なんてバカじゃないの!」と、両社とも和解の真偽を疑いたくなるような大人げない反応を続けている。
著作権を振り回し、金に目がくらんだプロダクション各社は、そろそろ子供相手の著作権ビジネスが、子供達に見透かされている事に気づくべきだろう。
株式会社マーケティングトルネード
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