NYの地下鉄名物ともいえる車内での遠慮ない飲食。それならいっそダイナー付き車両にというアイデアが飛び出した。実現したら大繁盛間違い無しとはいうが…(苦笑)
UPDATE 2011/04/08
ニューヨーク州・ニューヨーク
先日、ニューヨークの地下鉄構内でスパゲッティを食べていた乗客と、それを注意した乗客とが乱闘になった事件がYouTubeにアップされて話題になった。多くのアメリカ人は注意した乗客側が正しいと思っているが、ニューヨーク市とニューヨーク市地下鉄乗客は、食事をじゃまされた乗客側を擁護しているようだ。
このブルックリンで起きた、みっともないスパゲッティ乱闘事件について、マーク・ブルームバーグ市長は「私は、食べたい奴には勝手に食べさせておけと言いたい。乱闘するには及ばないでしょう。私は行儀かの面からは自分が正しいことをいってるとは思わない。でも、私だって、早朝のシティホール行のルート6に乗っていたら、車内でブレックファーストを食べるでしょうね。もちろん、オムレツと季節のフルーツを自宅でゆっくり食べる朝食のほうが好きです。でも、平日の朝、誰にそんな優雅な時間が在りますか?私たちはニューヨーカーです!私たちは常に働いているんですから!」と、記者会見で述べた。
市長は現在市内の複数のダイナーのオーナーたちにかけあって、朝もっとも込み合う電車内に開店することを検討中だという。
「私はダイナー付き地下鉄に非常に関心を持っていますが、まだ企画検討中です。たしかに、我々が本気になれば、多くの車両にキッチンをつけることは容易いでしょう。しかし、私はNYらしい、全ての文化や宗教に対応した、さまざまな料理がサーブできるダイナーカーにしたいと思っています」とのことだ。
今や彼は、地下鉄車両内レストラン賛成派の、最も強力な広告塔である。
「電車には本来食堂車があるものです。地下鉄車両にあったっておかしくない。ある意味、これは素敵なアイディアかもしれません。サンドイッチとアイスティーを持って、オフィスで過ごした長い一日を電車内で振り返る。私には良いアイディアに思えます。もちろん、MTA(ニューヨーク市都市交通局)に多少の場所代は支払います。私はサンドイッチを電車内で食べられるし、MTAは数ドル分の場所代を手に入れることができる。ギブ・アンド・テイク、これこそニューヨークスタイルでしょう! 」
市長のリクエストに応えMTAは現在「地下鉄乗り継ぎコンボセット」を考案中だ。このアイデアによると、乗客は電車を乗り換えた後も、別の電車で食事をとることができる。MATの流通担当であるモーリス・ゴヤ氏はこう説明する。
「あなたがウォールストリートで仕事をしていて、さらに、レゴパークに家があるとします。スープをルート6の上り電車内で飲んで、さらにFラインに乗り換えたらハンバーガーかステーキを食べる。これは素敵なコンボじゃないですか? 市長の提案は、私たちの通勤スタイルを抜本的に変革させるでしょうね」
コーヒーで焼きたてのプレッツェルを胃袋に流し込んで朝食をすませるのは、オードリー・ヘップバーンの映画時代からのNYスタイル。世界一忙しいNYの朝がさらに加速するのは時間の問題かもしれない。
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