見事なシンクロぶりを見せる金魚達。さてこれは鍛錬の技か、それともトリックなのか?中国中で大論争が起こっている。
UPDATE 2011/03/01
中国・北京
中国のマジシャンが、あまりに見事に金魚にシンクロナイズドスイミングをさせていたため、動物保護団体から動物虐待だとクレームが来てしまったらしい。そのため、番組は、その金魚の見事なシンクロ映像を放映するのをキャンセルしてしまったという。
論争を引き起こしたのは、2週間前CCTVで放映された春節を祝う特別番組。渦中のマジシャン、フ・ヤンドン氏は、金魚を使ったマジックをやってみせたのだが、そのあまりに見事な金魚の操りぶりに観客は驚愕し、そのトリックをめぐって大論争を巻き起こしているのだ。
動物保護活動団体はその映像を見て、「彼は金魚に磁石を食べさせている。もしくは、磁石を金魚の体内に注入している」として、そのトリックを動物虐待だと主張した。
もちろんフ氏のエージェント側は、「彼はそんなトリックは使っていない」と語っている。
ここまで騒ぎが拡大したのは、フ氏のパフォーマンスが春節祭特番のなかで、もっとも目玉のイベントのひとつだったからだ。中国全土、少なくとも数億人の視聴者が、彼のパフォーマンスを見ていたのだから、そのトリックが大論争となるのも当然かもしれない。
放送時に用意されたセットには、カバーのかけられたテーブルの上に、浅い水槽が置かれていただけ。その中を、6匹の金魚がおよぐというだけのもの。しかし、金魚たちはフ氏の合図通りに、まるで言葉が理解できる様に泳いでいた。
パフォーマンスの終了後、もちろん彼は、金魚たちがなぜ一緒になって泳ぐのかの秘密を明かすことはしなかった。これはプロのパフォーマーとして当然だろう
騒動に対して「私の金魚たちは私と一緒に幸せに暮らしている。虐待等されていない」と彼はブログに書き込んでいる。
しかし、彼の書き込みは論争をとめることはできなかったようだ。放送翌日の月曜日、中国の53もの動物保護団体がTV番組側に、フ氏のパフォーマンスを二度と放映するなと抗議したのだ。その理由は、「もし視聴者がフ氏のマジックをまねしようとしたら、動物虐待に拍車がかかる危険性がある」からだとか。
とはいえ、これほど話題となっているニュースをテレビ各局が放置するハズもない。国営のCCTVは自重しても、地方独立系放送局の扶南テレビは、早速特集番組を組む事を発表した。同局によると、フ氏を自局の特別番組に招き、ショーを実演させる。そして、その謎を解き明かすらしい。
中国中をゆるがす金魚論争についに決着がつくのか!ともあれ、こんな平和な騒動なら暖かく見守ってもよさそうだ。Love & Peace!
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