2月2日、世界各国の内部告発文書を公開するサイト「ウィキリークス」が今年のノーベル平和賞候補に推薦されたことが明らかになった。
UPDATE 2011/02/03
ノルウェー・オスロ
言論の自由と、正義は一つではないという人類永遠のテーマが、ついに公の場で論議される事になるかもしれない。
2月2日、世界を騒がせている「ウェブ上のテロリスト」とまで呼ばれた「ウィキリークス」が今年のノーベル平和賞候補に推薦されていることが、ノルウェーの国会議員によって明らかにされた。
ノーベル賞委員会は、例年通り本年度の各分野の候補者の推薦を2月1日に締め切った。ところが、その平和賞候補の中に「ウィキリークス」が含まれていることが明らかになった。
推薦にかかわったスノーレ・バレン議員は、「ウィキリークスは、表現の自由や透明性に貢献した最も重要な団体の1つ。汚職や人権侵害、戦争犯罪に関する情報を暴露したことから、ノーベル賞候補となって当然だ」と語った。
各国政府関係者から「ウェブ上のテロリスト」とまで呼ばれた「ウィキリークス」がノーベル平和賞候補にリストアップされたことは、言論の自由と、各国の掲げる正義の定義のあいまいさを白日の下にさらすことになった。
実際、現在のエジプトのムバラク政権の混乱にみられるように、市民の争乱や過激なデモは、国から見れば犯罪だが、市民側から見れば独裁圧政から逃れる為の正義の行動。この双方譲れぬ正義こそが、各国で起こる各種紛争の原点となっているのは間違いない。この正義という一見ゆるがぬ言葉ほど、クルクルと向きが変わり、あいまいな言葉はないことを人々は知っておくべきだろう。
現在親米派のムバラク政権が倒れれば、アラブ世界と欧米の緩衝剤となっていた仲介国であるエジプトを失い、世界情勢は一気に緊張へと向かう事になる。もし反ムバラク政権が誕生すれば、新しい正義は、現在のエジプトの正義とは180度逆の物になるだろう。
WWNは独自の取材で、サウジアラビア出身のアラブ人、ウサマ・ビンラディンがノーベル平和賞候補者の候補の段階までは含まれていた事をつきとめた。平和賞候補者にテロリストを選ぶ?これは一見バカげたニュースに思える。しかし、我々から見れば残虐なテロリストでも、永く欧米の圧力に屈し続けてきた中東の人々にとっては、解放者であり英雄かもしれない。
ウィキリークスの平和賞候補者選考は、「言論の自由」と「正義のあいまいさ」の関係を浮き彫りにすることになった。言葉のテロと、人の命を直接奪うテロとを混同する事はできない。しかし、一方的な価値観や正義等存在しないというノーベル賞選考委員会の判断は尊敬に値する。
ところで、ウィキリークスが受賞候補者となるなら、我がウィークリーワールドニュースも、いよいよ受賞の準備をしておかなければいけない。何しろ我々は40年以上も、世界各国の政府の陰謀やエイリアン達の侵略と戦ってきたのだから…。Love&Peace!