UPDATE 2011/01/21
ニューヨーク州・ニューヨーク
ニューヨークのネズミの数は、もはや完全に飽和状態にあるようだ。ニューヨークの街角に山と積まれたゴミやレストランの残飯、これらを全て食べ尽くしても、何百万匹にも増加したニューヨークのネズミたちには少なすぎるらしい。
ネズミは本来人間を怖がらせたりはしない生き物のはずだっだ。むしろ人の姿を見かけると逃げ出す、小心者の生き物と思われていた。通常、彼らは人の目を盗んで食べ物を集める習性が在る。しかし、ここ数週間、ネズミたちは逃げるどころか、多くのニューヨーカーたちを攻撃し始めているのだ。
今年の初め、ブロンクスでは3100匹のネズミに寄生虫の存在が確認された。そして、その危険な寄生虫を宿したネズミに、ニューヨーカーたちが襲われたという多数の報告がある。少なくとも3人のニューヨーカーが、ネズミにかじられて耳を失っている。
ニューヨーク市健康局の補佐役であるロナルド・ウィッキー氏は「ネズミはいまとても攻撃的だ。まるで街を乗っ取ろうとしているみたいにね。現在ネズミたちの攻撃を止める有効な手段があるのかどうか検証中だ」と語る。
NY市長はニューヨーク市内で、ネズミが人を攻撃していることを否定している。「ニューヨークのネズミはほかの地域のネズミと何ら変わりはない。この街ができて以来、我々はネズミたちと共存してきた。昔も今も彼らにはなんの危険もない」と語る。
しかし、専門家の意見は市長の見解に否定的だ。都会の齧歯類行動学の専門家であり、パートタイムで害虫駆除業者もやっているニューヨーク大学のロバート・ダチール教授は「今や、この街はネズミたちに包囲されている。ネズミたちの攻撃は今後もっと悪くなっていくだろう。すべてのニューヨークの住民たちに、突然一匹のネズミが顔に飛び乗ってきて、かじられるのが嫌なら、殺鼠剤を持ち歩くべきだ」と語る。
ニューヨークに住むネズミの主流は、ドブネズミだ。それはアメリカでは、通称ノルウェーラット、ブラウンラットと呼ばれている。このネズミの急増に関しては、いくつかの理由がある。ひとつには、ニューヨーカーたちのムダな食べ残しが多い食生活。もうひとつには、今年の初期にNY市の2000人の害虫駆除担当者が市の予算削減により解雇されたことが原因ではないかと考えられている。
現在、最大のネズミ問題は、ニューヨークの地下鉄内で起こっている。乗客をネズミが次々と襲うという事態が発生している。公式な発表ではないが、先週は5人が、Lトレインに潜んでいた大量のネズミの攻撃によって死亡したといわれている。もはや深夜に一人でNYの地下鉄に乗る事は自殺行為に等しいといえるかもしれない。
ネズミたちの攻撃が激化するにつれ、市民の不満は増大している。しかし、NY市には、まだこの事態に対して打つ手立てがない。
ともかく、このビデオを見てほしい。これはネズミが乗客を攻撃している様子だ。幸運なことに、この男性はネズミたちの攻撃から逃れることができた。しかし、ネズミたちが、もはや人間など恐れてはいないのは明らかだ!
こうなったらネコだ。大量のネコをNYで放し飼いにするしか無い!もっとも、トムとジェリーに見られる様に、最近の飼いならされたネコが、俊敏で聡明なネズミ達に勝てるかどうかは疑問だが…。
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