UPDATE 2011/01/06
中国・北京
北京や上海等、都市部での住宅価格や家賃の高騰に悩む中国市民。大卒初任給が3000元(約37500円)に届かないにもかかわらず、1LDK50平米程の1ヶ月の部屋の平均賃料が12000元(約15万円)。同規模のマンションの販売価格が120万元(約1500万円)となれば、もはや一般市民が家を借りる事も買う事も不可能に思われた。
しかし、ここに一つの福音が届いた!24歳で大学を卒業したばかりの若き青年、ダイ・ハイフェイが、超小型のエコハウスを発明したのだ。彼は北京のとある地区に、竹を使った卵型の超小型ハウスを作り上げた。そしていま、中国では、彼のアイデアを真似た何千個ものエッグハウスが立ち並んでいる。しかも、その数は毎日確実に増え続けている。
ハイフェイはその卵型のキャビンを「都会の卵」と呼んでおり、住宅展示会にも出品された。
若き青年・ダイは、低収入でがんばっている若者たちに、何とか家を供給したいと考えたことからこのプロジェクトを始動させた。都市部に住む若者にとって住宅費は最大の出費。これを下げることで、生活が劇的に楽になると考えたのだ。彼は、家族から6400元(約80000円)を借りて、まず自分の家を建てた。建築費?を押さえる為に木ではなく竹を使った事が、逆に軽量で柔軟性に富むことになり丈夫な家となった。軽量なため小さな車輪をつけることで、移動も簡単。キャビンのなかのインテリアも、竹で作られており、簡単に折りたたむことができる。
竹のマットは通気性抜群、屋根と床の部分に防水のゴムを張ることで、保温性が高く防水性の高い家に仕立てている。しかし、キッチンはないため、食事は外食。トイレもレストランやカラオケクラブですませる事になる。しかし、キッチンやトイレが無い事は、キャビン内を清潔に保つにはむしろプラス要素だ。ベットは1.8mと少々小さいが、ソーラ発電の電気に、透明プラスチックの天窓、ちょっとした本がおける棚もあり、雨水を利用するための貯水タンクもある。
玄関には1.8mの楕円形のドアがあるが鍵はない。夏には解放にしておけば涼しい生活をおくれるだろう。
外装は穀物輸送用の麻袋の再利用だが、そこには芝生の種が入っている。春になると発芽して、夏の強烈な日差しをさえぎってくれるだろう。非常食用に野菜を植えるのも良いかも知れない(苦笑)。
さてこの流行、エコ住宅と呼べるのか、路上生活と見なすのか微妙な所ではある。ともあれブルーシートと段ボールよりは快適そうだ。北京や上海の新しい風物詩となるのは間違いないこの卵ハウス。もしも興味があるのなら、ダイ君は日本にだってドンドン発送するとのことだ。本当に暮らしてみたい人は編集部までご連絡を(苦笑)。