想像以上に機敏な速さで泳ぐエチゼンクラゲ。研究者によると、汚物を栄養源として育成が促進する可能性は否定できないという。
UPDATE 2010/12/17
中国・北京
中国でエチゼンクラゲが大人気だという!?その好感度は、国民的明星であるパンダに迫る程だと言うから本物だ。
しかし、誰が見ても愛くるしいパンダならともかく、グロテスクなエチゼンクラゲに人気が集まるとは、にわかに信じ難いのだが…。
その理由を上海在住の中国人ジャーナリストの程健軍氏に聞いた。
「『野村水母』(イェーツンスイム=エチゼンクラゲ)の人気が中国で急上昇しているのは本当です。もちろんあの姿を見て可愛いと思う人は居ません(苦笑)。人気の理由は、憎き日本に向かって国境を超えて侵入し、日本の漁業を壊滅的に破壊する姿が、抗日派の人々に胸のすく思いを与えているのでしょう」
確かに2メートルを越える巨大なエチゼンクラゲが、海を覆い尽くしながら押し寄せる姿は、日本の漁業関係者に、壊滅的なダメージを与えている。
その日本の漁民達が苦悩する姿を見て「国家性的英雄」と拍手を送っているのだというから、あきれるしかない。
「中国沿岸の汚水や汚染物質を吸って巨大化し、日本に流れ着くエチゼンクラゲは、中国沿岸の海水を浄化し、日本近海に捨ててくれる理想的な生物。一石二鳥の超有益生物と言われています。自国の海がキレイになって、しかも日本が困るのだから楽しくてしょうがないということのようです」前出程氏
とんでもない身勝手な理論!しかし、今年は幸いにもエチゼンクラゲの発生が少ない。抗日派の人々はさぞかし悔しがっているのでは?
「その通りです。『今年はエチゼンクラゲが少ない。愛国者なら協力してクラゲを増やそう。汚物を河に流すくらい誰でもできるハズだ。河に汚物を流せば、エチゼンクラゲの餌が増え、日本を攻撃できる』と抗日クラゲ繁殖運動への参加を呼びかけています」
エチゼンクラゲの大発生は人為的な理由かも知れないと思うと、あのグロテスクな姿が、ますます憎々しく思える。しかし、日本近海を攻撃する為に自国の河を汚そうという理論が本当に愛国者なのか(苦笑)。
その運動の効果があったのかどうかは不明だが、昨年も、あの巨体が1日2億匹も日本海に流入していたという。これ以上、迷惑な輸入品はかんべんしてもらいたいものだ。