逮捕されたアジア人男性と、その老装後の写真。とても同一人物に見えない。こうなると、もう本物の老人かどうかを見分けるのは困難だ。
UPDATE 2010/11/16
カナダ・バンクーバー
日本ではマツコ・デラックスやミッツ・マングローブなど、女装タレントが大人気だが、その次は老装ブームがやってくるかもしれない!
カナダやアメリカでは現在老装が大ブーム、おかげで各地の空港や駅、検問等で大混乱が起きている。この老装はハリウッドクオリティとも言える巧妙な物で、一見したかぎりでは本物の老人かどうかは区別がつかない。
老装の醍醐味は、社会的弱者になりきることで、周囲から親切や優遇を一身に集める事ができる事だという。これは、社会的弱者に追い込まれる女装とは対極にある趣味と言えるだろう。
とにかく愛好者に言わせると「一度老人になると、もう二度と若者に戻りたいとは思えない。電車やバスでは席を譲られるし、行列のできるレストランでも並ぶ必要も無い。コンサートでは最前列に案内してもらえる」とメリットだらけだという。確かに社会的厚遇を受ける老人子供のうち、子供に戻る事ができないとすれば、老人になるしかないということか。
ただ、行き過ぎた老装が、各所でトラブルを起こしているのは間違いない。例えば、アジア人男性が白人の老装で飛行機に乗り、老装の本場カナダに潜入しようとした一件。
香港で飛行機に乗り込んだ茶色のカーディガンにハンチング帽をかぶった白人のおじいさんが、20代のアジア人男性であることが発見されたもの。これは、フライトアテンダント達が、彼の異様に若々しい手に気づき御用となったもの。
彼は単なる老装趣味者だったのだが、場所が場所だけに、テロリストの疑惑がかかられたのは無理も無いところだ。
彼は、あえなくカナダのバンクーバー国際空港で警察に逮捕されたのだが、その驚くべき老装手法に空港警備関係者は愕然とした。
それは、完璧な隠蔽だった。シリコンで作られたマスクは首までスッポリ覆われ、たった10センチの距離まで近づいても老人にしか見えなかった。フライトアテンダント達が指摘した通り、老人に若者の手だけが付いている状態だった。もし彼が手袋をはめていたら、誰も変装を見抜くことはできなかっただろう。
彼のシリコンマスクを含めた変装キットはトイレに持ち込めるセカンドバックサイズ。フライトの途中、トイレに行った白人老人が、20代のアジア人になって戻って来たら、となりの座席に座っていた人は、さぞかし驚く事だろう。警察の取り調べの間に、彼は得意げに老人の歩き方のマネさえしてみせたという。
この迷惑な逮捕劇はバンクーバーだけで起こっているのではない。ワシントン・ダレス国際空港では、到着した団体の老人客が全員老装であることが判明しゲートは警官と老装マニアとの間で大騒ぎになった。
シャロン・エンジェルという女性は、ハリー・レイドのマスクをかぶっているところを、レーガン国際空港でつかまった。クリスティン・オドネルという男性は、アムトラック・トレインのなかで、クリス・コーンのマスクをかぶっているところを逮捕された。ラリー・キングの変装をして、潜入しようとしていたアジア人女性もいる(苦笑)。
ともかく、こうなったら本物の老人かどうか判別するには、老人を見たら片っ端からほっぺたを、思い切りつねってみるしかない。
ただし、注意して欲しい。彼らのうち半分くらいは本物の老人が混ざっているかもしれないとおもうので。