UPDATE 2010/10/06
ニューヨーク州・ニューヨーク
国連は1950年代からエイリアン達との和平を求めて交渉を続けていたが、今月2日、ついに彼らとの合意を得て、議会内に彼らの議席を設けることになった。その史上初めて国連入りしたエイリアンと交渉する責任者が、マズラン・オスマン教授だ。
きたるべきエイリアンと人間との共存の時代に備え、宇宙各所での紛争・政治・社会・経済等、各種問題についてに協議する。この新しい部局の名は国連宇宙空間事務局(UNOOSA)だ。
バン・ギムン国連事務総長は、この新しい部局の責任者に、マレーシアの宇宙物理学者オスマン教授を任命した。エイリアンとの第1回目の交渉は数週間以内に開催されるものと見られる。
この新設されたUNOOSAの職務には、宇宙向けに開発された科学技術の成果を、第3世界を含む地球人に伝えることや、スペースデブリ(宇宙ゴミ)の分別化問題も含まれる。
エイリアン達によると、彼らを悩ませ続けているのは、地球人が宇宙に捨てて来たデブリの多さだという。廃棄された人工衛星にロケットの残骸。宇宙飛行士が投げ捨てた空き缶やビニール袋等、宇宙風の強い日には、ゴミで前が見えない程だという。地球周辺のゴミの多さは宇宙屈指で、ゴキブリ系宇宙人の惑星のようだと彼らはため息をついていた。
エイリアン達は、せめて、宇宙空間における、燃えるゴミ、燃えないゴミの分別と、廃棄宇宙船等には粗大デブリとして宇宙標準時による月曜の朝8時前にゴミ処理券(1枚300ETドル)を貼って指定の場所に出す様にして欲しいと訴えている。
一方エイリアン達は自星のリーダーをただちに国連事務総長にするように要求している。彼らの先端科学技術や宇宙基準の調整能力には敬意を表するものの、それは無理な要求だとギムン国連事務総長は答えている。しかし、交渉には応じる姿勢のようだ。
オスマン教授は”エイリアン大使”の愛称どおり、エイリアン達に、UFOの無謀運転、拉致被害、英米の核ミサイルの無力化疑惑、エイリアンにロボトミー手術を受けたと疑われる地球人(例えばメル・ギブソン)などのエイリアンと人間間の諸問題について、直接問いただすつもりだ。
一方、”エイリアン歓迎委員会”の委員長に抜擢されたのは、かの有名な理論物理学者のスティーブン・ホーキングだ。この委員会は、地球到着時にエイリアンを歓迎するために選ばれた、10人の地球人からなっている。
ギムン総長は「ホーキング教授はいくつかのエイリアン語が話せるから、ズバリ適任です」と語っている。
国連内へのUNOOSAとエイリアン歓迎委員会新設の発表後、世界各国のメディアから通話が殺到して、国連の電話交換機はパンク状態だ。何度電話しても「内線4951の利用者は不在です。発信音のあとにメッセージをどうぞ」という留守番電話の声が聞こえるだけだ。残された数万件の伝言を全て聞くには1週間はかかるにちがいない。
エイリアン達は、今更言うまでもなく、ずっと以前から人間に混じって生活していた。今回、彼らのいつになく強硬な要求で、国連はついに彼らの議会への参加を認めざるを得なくなったのだ。その真意はどこにあるのか…。
「いずれにしても、エイリアン達と戦うのはゴメンです。だって、勝てるわけ在りませんから…」とギムン総長は力なく語った。彼らの真の要求が何なのか。今後UNOOSAからの発表から目が離せそうにない。
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